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【牧之原・河村養蜂場】お茶の花のミツ 茶所の恵み詰まったハチミツ

ハチたちが集めた自然の恵み、ハチミツ。静岡・牧之原市に里山の花々の蜜をハチたちが集めた、黄金色に輝く逸品があります。茶所ならでは、お茶の花のミツもとれるそうです。

全国各地の隠れた魅力的な商品を集めたというAmazonの「日本ストア」で、静岡県のイイモノを検索。実際に現地を訪れじっくり検証してきました。

里山の花の蜜を集める

牧之原市にある河村養蜂場。取材をしたのは6月は、まさにこれからハチミツ作りが最盛期を迎えるタイミングでした。


河村養蜂場・河村充さん:
ここには約20の群れがいて、定置養蜂という年間を通してここにハチを置くやり方で養蜂をしています。

1匹の女王バチに対して1つのコロニーが形成されていて、1つの箱を1群と数えるそうです。

テレビ静岡・小松建太アナウンサー:
家族が箱ごとにあるということですね。ところで、周辺を見渡しても花が見当たらないんですが、ハチはどこで蜜をとって来るんですか

河村養蜂場・河村さん:
ミツバチは巣箱を置いた場所を中心に半径3、4kmは飛んで行って周りの里山の花のミツを吸って帰ってきます

河村養蜂場のハチたちは、牧之原の季節の花のミツを持って帰ってきているそうです。

収穫期を迎える巣箱の中はどうなっているのでしょうか。

河村さんに見せてもらうと、”巣板”という板がたくさん並んでいました。

6月中旬、白い蜜蓋はまだ半分ほど

もう少し置いておけば、白い蜜蓋が全面に広がっていくそうです。河村養蜂場では、できるだけ濃いハチミツを採りたいので、もう少しこのまま置いてから収穫するそうです。

小松アナ:
収穫をする日以外は、どんな作業をしているんですか

河村養蜂場・河村さん:
普段はハチにダニがついていないか、病気をしていないか健康管理をしています。やはりハチが健康でないとハチミツがとれないので

父の思いを受け継いで

今では安定したハチミツ生産を行っている河村さんですが、以前は別の職業についていました。本格的に養蜂に携わるきっかけは13年前、養蜂業を営んでいた父が亡くなったことでした。

河村養蜂場・河村さん:
養蜂も終わりかなと思いましたが、父のハチミツを食べた人に「おいしかった」と言ってもらえるのが嬉しかったので、続けたいなと思ったんです

ところが、いきなりハチを全滅させてしまったそうです。

河村養蜂場・河村さん:
翌年もハチを購入して挑戦してみたんですけど、また全滅させてしまいました。やっぱり仕事をしながらではやるべきことをやるべきタイミングでできないと痛感して、仕事を辞めました

河村さんは養蜂協会の先輩に話を聞いたり、独学で段々とハチを増やすことに成功します。農業経営を学ぶために静岡県立農林大学校にも通いました。

“牧之原らしいハチミツ”をこれからも

ハチミツの詰まった巣板を収穫した後、自宅に併設された作業場も見せてもらいました。

蜜蓋を取って、板を遠心分離機にセットし、ハチミツだけを取り出します。

特別に搾りたてのハチミツを試食させてもらいました。

小松アナ:
べっこう飴のような色合い、黄金色できれいですね。はっきりとした良い香りで、おいしいです

河村養蜂場・河村さん:
きょう絞ったものは若干糖度が低い分、より香りがフレッシュだと思います

香り豊かな河村さんのハチミツは2019年に、「ふじのくに新商品セレクション」で最高金賞を受賞。牧之原市を代表する特産品としても注目を集めています。

通常は、周りの里山の花からとれたハチミツを6~8月に絞り出荷していますが、3、4年前から11月にもハチミツが絞れるくらいミツが集まるようになりました。

河村養蜂場・河村さん:
「これはなんだろう」と思って、地元のベテラン養蜂家の方に聞いたら”お茶のハチミツ“でした。お茶の渋みがほのかに感じられる、茶所・牧之原らしいハチミツです。この土地ならではのハチミツを提供できるように、これからも心がけていきたいと思っています

ハチたちと真摯に向き合っている河村さんの思いが何よりの隠し味かもしれません。
トーストにかけて食べるのはもちろん、河村さんに教えてもらった食べ方は「卵焼き」。調味料の代わりにハチミツを混ぜて焼くと、爽やかな甘みの卵焼きができます。

テレビ静岡アナウンサー。スポーツを主に、静岡県内の取材を幅広く担当。TVer配信番組『おかずクラブのただいま日和』ナレーション担当。愛猫は9歳のハチワレ"だいず"と3歳キジトラ"でで"。